その他の障がい

障害について

病弱虚弱
 病気の状態が長く続き、医療や生活規制を必要とする程度のものを指します。また、病気ではないが身体が不調な状態が続く、病気にかかりやすいといった状態を「身体虚弱」と言います。そのために生活制限がある程度のものも含みます。学齢期では特別支援学校(病弱虚弱)や院内学級(病院内に併設された学級)などに在籍・通級する場合があります。
 対象となる病気は、「内部障がい」のところで述べたものの他に、がん(白血病など)、筋ジストロフィー、糖尿病、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、てんかんなどさまざまあります。

難病
 「難病」は日常的にも使われる言葉ですが、2015 年1 月施行の「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」には次のような判断基準が示されています。
 ①原因が明らかでない
 ②治療法が確立していない
 ③まれな疾病である
 ④長期にわたり療養を必要とするもの
 代表的なものはパーキンソン病やクローン病などです。詳しくは難病情報センターなどのウェブサイトをご覧ください。がんや精神疾患、感染症、アレルギー疾患等は個別の施策体系があるため、含まれていません。
 病気によってさまざまな症状があり、程度や経過にも個人差もあります。「体調の崩れやすさ」、全身的な疲労や倦怠(けんたい)感、痛み、発熱、集中力の低下など、周囲からは分かりにくい症状が現れる場合も多いです。難病法に定められる基準に基づいて、国が医療費助成制度の対象としている難病を「指定難病」と呼びます。

ダウン症候群
 染色体異常で、通常21 番目の染色体が1本多く3 本あるため、「21トリソミー」と呼ばれるタイプがほとんどです。筋肉の緊張が低く、多くの場合、全体的にゆっくりと発達していきます。知的障がいが見られることもほとんどです。
 言葉が不明瞭、言葉でのコミュニケーションが苦手、慣れない場面では緊張しやすい、習得するまでに時間を要する場合がある、などの傾向があります。人によっては、心臓、消化器系、甲状腺の病気、白内障や難聴などを合併することがあります。平均寿命が短いと言われていましたが、医学の進歩とともに治療やケアの方法が充実し、平均寿命も延びてきています。

対応としては、以下のようなことが大切です。
●分かりやすく、簡潔に伝える。(身ぶりや絵なども効果的です)
●周囲との関わりに興味をもつような機会を増やす。
●小さなことでも本人が「できた」ことに気づき、認めたり褒めたりする。状況に応じて、本人がから手伝ってほしい要求が出るまで待つ、苦手なことは事前に成功しやすくなる工夫をする、などの配慮も大切です。

高次脳機能障害
 事故や脳卒中などの病気のため脳の一部を損傷したため脳機能の一部に障害が起きた状態です。次のような症状があります。
●注意障害:集中できない、二つのことを同時にできない、など
●記憶障害:新しいできごとを覚えられない、物の置き場所を忘れる、など
●遂行機能障害:段取り良くできない、優先順位がつけられない、など
●社会的行動障害:興奮する・暴力を振るう、人柄が変わってしまう、など

その他、言いたい言葉が出てこない、視野の片方に注意が行きにくい・・・などもあります。他人には理解されにくい、本人が気づきにくいこともあります。
 診断は症状に加えて磁気共鳴画像装置(MRI)、コンピューター断層撮影(CT)、脳波などの検査結果から判断されます。まずは、その状態に気づき、できること・できないことを認めていくことが大切です。