発達障がいについて
発達障がいって?
知的能力全体では大きな低下はないものの、能力の発達がアンバランスで対人関係やコミュニケーションなどで困難が生じます。「神経発達症」と言われることもあります。
脳の機能障がいがベースにあると言われますが、生まれ育った環境によってさまざまな状態になり得ます。どんな能力に困難さがあるか、どのくらいの程度なのかは人によってさまざまです。
障がいゆえの困難さも目立ちますが、優れた能力が発揮されている場合もあります。周りの人に理解されにくい障がいです。軽度の場合は、大人になってから分かることもあります。
状態
●自閉スペクトラム症:
対人関係や社会性の難しさ、パターン化された行動や興味、などがあります。「場を読む」ことや「暗黙のルール」を理解することは苦手です。感覚過敏(大きな音が苦手、など)が見られることもあります。広汎性発達障がい(PDD)、高機能自閉症、アスペルガー症候群などと言われることがあります。
●注意欠陥多動性障がい(ADHD):
年齢に不釣り合いな注意力および衝動性、多動性を特徴とします。主に次の三つの症状があります。
うっかりして忘れてしまう、同じ間違いを繰り返してしまう。(注意力散漫)
待つことが苦手、おしゃべりが止まらない、じっとしていられない。(多動性)
だしぬけに行動してしまう、相手の反応や順番を待てない。(衝動性)
●学習障がい(LD):
全般的な知的発達に遅れはないのに、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」のうち特定の物の習得と使用に著しい困難があります。
支援に関して
●何かを指示する場合は具体的に伝えてください。障がいがあるために、指示をうまく理解できない場合があります。困難なことを「なぜ、できないのか」「なまけているのではないか」と責められるのは、つらいことです。できるだけ具体的に「今はこういう状況です、そのため、こうしてください。」と簡潔に伝えてください。
●絵や写真を使って説明されると分かりやすいことが多いです。
●「知らないこと」「初めてすること」「変化に対応すること」が苦手です。短い文で、一つずつ、具体的にすることを示されると、理解しやすくなります。また、絵や写真を使って説明されると、より分かりやすいです。
●長い言葉は苦手なことが多いです。具体的にゆっくり分かりやすく話しかけます。
●遠回しな言い方やあいまいな表現は理解しにくいです。「○○しない」ではなく「○○しましょう」と肯定的な言葉かけの方がよいでしょう。
●こだわりや癖が周囲の人にとっては迷惑になることがあるかも知れませんが、感情的に注意したり、力で抑えたりすることは逆効果です。穏やかな口調と毅然(きぜん)とした態度で語りかけてください。
●急に予定が変わったりすると、気持ちのコントロールが難しくなる、パニックになることがあります。そんな時はまずはクールダウンさせるのが基本です。そのための場所や方法を決めておくのも大切です。
●礼拝など、静かな場や全体の場に参加するのが難しい場合、他の時間を作るなど個別に対応していただけるとありがたいです。
●特に軽度や「グレーゾーン」の場合、本人や周囲の理解が大切です。理解の程度やペースに応じて相互理解を深めていきましょう。