肢体の不自由について

障害について

肢体の不自由って?
 上肢・下肢に欠損やまひ、筋力低下などがあるため、長期にわたり日常の動作や姿勢の維持が不自由になります。先天性の場合もあれば、病気や事故による中途障がいの場合もあります。脳に損傷を受けた場合には、言葉や記憶力などにも問題が出てくることがあります。
●脳性まひ:
 顔や手足などが自分の思い通りに動かなかったり、意思とは関係なく動いてしまったり(不随意運動)します。発語が思うようにいかないこともあります。
●脊髄損傷:
 手足が動かない、力が入らないというだけでなく、感覚がない、体温調節が困難といった問題もあります。
●筋ジストロフィー:
 筋肉の萎縮と筋力低下がだんだんと進んでいく遺伝性の難病。種類により発症の時期や障害の重さは異なりますが、萎縮が進むと全面的な介助が必要となります。生命が危険になる場合もあります。

困ること(例)
●車いすの場合、ちょっとした段差や障害物でも進むのが大変なことがあります。転倒の不安があったり、急な坂は進みにくかったりします。現金自動預払機(ATM)や自動販売機などは、使いにくいことがあります。高いところには手が届きにくく、エレベーターのスイッチなども困ることがあります。床の物は拾いにくいです。
●手にまひがある場合、自動販売機に小銭を投入することやレジでの支払いに手間取ります。文字が書きにくかったり、狭いスペースに書き込むことが困難だったりします。
●食べること、飲み込むことが困難な場合、食べ物にトロミを付ける、細かく刻むなどの加工をすることがあります。

支援に関して
●移動に困っていそうな場合などは、「お手伝いしましょうか?」などと声をかけ、どんなサポートが必要かたずねてください。段差がある時はできるだけ衝撃が少なくできると助かります。
●車いすを使っている場合、話し相手の身長によっては、見上げなければならないです。そのため、威圧を感じたり、疲れたりすることがあります。少しかがんだりして、相手の目線の高さに合わせて話をすると、会話がしやすくなります。
●スムーズに話すことが難しい人に対しては、聞き取りにくい場合に分かったふりをすることはありがちです。大切な内容は確認してください。
●文字を書くのが難しい場合、相手の了解をとった上で代筆するということもできます。
●同伴者(介護者)がいても、障がいのある人ご本人に直接話しかけ、本人の意思を確認します。
●脳に損傷を受け、言葉がうまく話せない人に、子ども扱いするような接し方は不適切です。また、手にまひや欠損がある場合は、細かな作業では時間がかかることがあります。十分な時間をとってください。