視覚障がいについて
視覚障がいは大きく分けて、全く見えない「 全盲」 と、視力が低い・視野が狭い症状の「 弱視」があります。
●全盲:全く目が見えない、ほとんど見えない状態。光覚弁(明暗だけは分かるという場合)も含みます。点字を使うことが多いです。
●弱視:視力の他に、視野(見える範囲が狭い、欠ける)、夜盲(暗いと見えにくい)、色覚障害(特定の色が分かりにくい)、光をまぶしく感じる、などの問題があります。文字を拡大や視覚補助具などを使い、持っている視力を活用します。視力が低い状態の他に、見える範囲が狭い、明るいところではよく見えるのに、夜や暗いところでは見えにくくなる状態も含まれます。
困ること(例)
●文字の読み書きが困難です。特に、何か手続きを行う際、説明書や画像を使った説明があっても、読めなかったり分からなかったりします。また、書類に書き込むのは困難なことが多いです。説明書を読み上げてもらったり、口頭で説明してもらったり、代わりに記入してもらったりすると助かります。
●タッチパネルは操作しにくいことが多いです。
●スーパーで缶詰を買うなど、形だけで何かを判断するのは難しいです。
●「そこに置いたはず」の物がいったんなくなると探すのに苦労します。
●人の視線や表情が理解できず、複数いる時は誰に話しかけられているのか、話しかけているのか分かりにくい場合があります。
●弱視の場合、周囲の状況が分からないので「あいさつしたのに無視された」などと誤解されることがあります。
●不慣れな場所では、1人で移動することが困難です。位置関係や手がかりになる物など、説明がないと分かりません。
●点字ブロックの上に、物や自転車が置かれていると危険です。
支援に関して
●どのような手助けが必要かを本人に確認してください。
●物の配置を換える時は本人に伝えてください。
●移動に困っていたら、誘導してもらえると助かります。困っているように見えたら、「お手伝いしましょうか?」 などまずは声をかけてください。誘導の際は背中を押したりせず、自分の肩や肘に後ろから触れてもらい、ペースを合わせて歩いてもらえると安心できます。
●「こちら」「あれ」などの指示語や色を表す言葉は分かりにくいです。場合によっては、手で触れながらの説明ができると分かりやすいです。「50 センチ右」や「時計で9 時の方向」など具体的に説明してください。向き合っていると「左右」は逆に理解することがあります。
●突然体に触れられると驚きます。体に触れる前に、(できるだけ)前方から話しかけるようにしてください。また、「○○です。」 など簡単な自己紹介をしてくれると安心できます。